切れ切れ爺さんのつれづれ日記

京都の寺社紹介と多様な社会問題・闘病記等

《 ロシアによるウクライナへの侵略という暴挙 》 ⑳  2022.5.18



◆ 日本におけるウクライナ避難民の受け入れ

 戦争の激化と共に、ウクライナを逃げ出して難民となった人々がウクライナの隣国のポーランドに集中した。もちろんポーランドだけで何百万人という避難民の受け入れは実質上不可能であり、避難民たちの個々の条件に応じてさらに遠く離れた別の国への避難民も増加した。
 
 日本は、世界各地で起こる様々な紛争、弾圧、戦争などによる難民の受け入れが、世界の主要国の中でもずば抜けて厳しく、事実上難民認定を受けられるケースはほとんどないに等しい状態だ。しかし今回のロシアによるウクライナ侵略については、世界的にも大義なき一方的な侵略戦争であると言う事実に基づき、親ロシア派の国以外は地球上の大半の国が、ウクライナを支援するに至った。
 その中でも避難民問題というのは、多数の人々が受け入れ可能な国へ避難民として受け入れてもらう形になる。当然のことながらヨーロッパ各国は積極的に受け入れを表明し、多くの人々が実際に避難民として新しい国での生活を始めている。

 ではこの日本という国ではどうなのか。難民に対してほとんど認定しない国ではあるが、今回に限っては、世界的にウクライナ支援及びその関係で、避難民認定をして受け入れることが大々的に行われている中、日本が今まで通り厳しい審査をして受け入れないなどということは、とてもではないが言えないはずだ。いわば日本のメンツに関わる問題ともなる。

 従って日本においても今回は、総理大臣を始め国としても厳しい避難民認定を簡素化して、コロナ対策だけを行うことによって受け入れることを表明した。日本という国が本当に「人道的配慮」を行って、避難民として受け入れを認めるようになったのかどうかは分からない。島国と言う状況から、日本は単一民族国家だ、などと暴言を吐くような国会議員もいる始末だ。従って避難民の受け入れに対しては全国民的に、極めて消極的排他的な雰囲気が漂う国でもある。
 今回はやはり上記のように、特別に配慮をしたのだろうと思われる。しかも避難民対象になる人々は欧米系の白人である、と言うことも背景にあるのではないかと思われる。これまで日本に難民認定を求めてきた人々は、東南アジアから南アジア系列の人々がほとんどだった。つまり欧米系の白人が避難民認定を求めてきたというケースは、ほとんどなかったのではないかと思う。しかし白人であれば日本としても認め易かったのではないか。つまり国民感情的に受け入れやすいと判断したのかもしれない。
 それは穿った見方ではないのか、と言われるかもしれないが、これまでの入管の非人道的な難民申請者に対する扱いによって、死亡者まで出している事実を見る限り、やはりそう思わざるを得ない部分もあるのは事実だ。

 だが様々な状況の違いはあれ、今回苦境に置かれたウクライナの一般市民達を避難民として受け入れを表明したことそのものは、ある意味一歩前進と受け止めておこう。この経験がこれから先、東南アジア系や中近東系の人々に対する難民認定の許可にも、大きな影響が必ず起こるものだと信じたいと思う。

◆ 私が住む京都府での受け入れは

 特に若い学生たちが学ぶ場を奪われ、その人たちの中にはすでに日本で暮らしている親類縁者を頼って、日本に避難民として逃れてくる人たちが比較的多い。このような場合大学などが表に立って対応するケースが目立っている。特にいち早く避難民学生を受け入れ表明して60数名もの学生を受け入れたのが、日本経済大学だ。九州にある私立大学であり一般的にはあまり聞いたことのない大学ではあるが、非常に積極的に受け入れたこと自体賞賛すべきものだろうと思う。この大学自体が元から留学生が極めて多い大学ということで、ある意味日本語専門学校的な位置付けにある大学だと思われる。

 このようなケースが出てくるとやはり日本の各大学も、後に続き受け入れようという気運が高まってくるのは当然だ。もちろん親類縁者のある人はその近辺で、全く身寄りのない人は条件が整う自治体で、ということになる。こうして日本各地の大学が、避難民学生を少数ずつ受け入れ、全体を合わせるとすでに相当な数にのぼると思われる。また身寄りのない学生でない人達に対しては、自治体の方が市営住宅などを無償提供する形で援助する、というケースが基本だ。



 つい最近京都府でも二つのケースがニュースになった。一つはウクライナのキーウ大学と交換留学制度を締結している龍谷大学が、一人の女子学生を受け入れた。大学では主として日本語を中心に学ぶという。同時に本来在籍しているキーウ大学のリモート授業も受けると言う。学費免除、住宅の無償提供と生活資金月8万円が1年間送られる。戦争の状況によっては期間が延長されるということだ。この条件は各大学の受け入れ条件を見ていると、かなり良い方となる。ただこれから物価が上がっていく日本国内においては、ひょっとして8万円でさえ厳しくなるかもしれない。国立大学などでは生活資金援助が6万円などというところが多いように思う。いずれにしろこのような形で具体的な支援が行われ、しかも本人が望んでいた京都という街で学生生活を送るということが嬉しい、とのコメントがあった。
 もう一件、京都教育大学ウクライナの子供たちのために、学習用の動画を制作して YouTube で配信するというサービスを開始した動画は例えば算数であるならば図形などを画面に表示し、そこに説明を加えアニメーションとして具体的にどこがどのように変わるのかということを示す、分かりやすい内容のものだ。もともと以前から大学側が作成を続けてきたもので、既に500本を超える動画があると言う。その動画の日本語の部分をウクライナ語に全て置き換え、声の説明を日本語ができるウクライナ人に依頼してウクライナ語での説明を加えた動画となっている。これらを順次 YouTube に公開して、小学生や中学生などの勉強の支援に役立てていこうという取り組みだ。

 

  こういうケースなどを見ると、ただ単に避難民受け入れだけではなく、 SNS やネットワークを使った様々な支援の形というものがあり、非常に有効な手立てだと思われる。京都市は学術研究の場でもある。さらに様々な人々に対して支援が行き渡るように努力してもらえれば、日本という国のイメージも少しは上がろうかというものだ。そして日本で大学を卒業して、あるいは大学院へ進学して、将来日本との架け橋的な役割を果たす人々も誕生するかもしれない。
 一刻も早く戦争が集結し、彼ら彼女たちがそのまま日本で学ぶのか、あるいは帰国して学んでいくのか、自分に合った選択が自由にできるようになり、戦争で荒れた国を再建する大きな力になってほしいものだとつくづく思う。

  (画像はTVニュースより)