
◆ 日本ではこのところめっきり、メディアによる報道量が減っている
ウクライナの情勢については3週間前に当ブログに掲載したところから、決定的に大きな違いは無いように思われる。私の情報源は京都の地方紙、ネットの総合サイト、テレビのニュース、そしてこの間何冊も発行された一部の書物。

先日、 EU 諸国の中のイタリアが、ウクライナ疲れの状態になりつつあるとの報道があった。ウクライナと国境を接する西側諸国は結束して、それぞれ一定の支援を続けている。戦いが長期化するというのは、ロシアの思惑とは関係なく世界のどのような紛争においても、そうなるのは最初から目に見えていた。特に「一方的な侵略戦争」においては、侵略された側は正しく命をかけて戦う、ということになるだろう。いくら家族や親友や子供、負傷者たちが見境もなく殺されていく実態を目の当たりにすると、「絶対に許せない」「命をかけて最後まで戦う」と誰しもが思うようになるのは当然だと思える。
しかし一方、国力及び軍事力の差は決定的に大きく、通常の状態ではウクライナに勝ち目はないところだ。そういった意味では EU 諸国が結束して、ウクライナを助けようという方向になるのは当然のことといえる。
がしかし、2月下旬に始まった戦いもまもなく5カ月となる。確かに一部の自主的に志願した傭兵を除いて、 EU 諸国の人たちの日常生活そのものは一見平和に見える。 EU としてはロシアに対する経済制裁を中心に、アメリカとともにその制裁を強化してきた。ロシアのプーチン大統領はその際、「ロシアはそれでは潰れない。逆にブーメランのように制裁を加えた諸国に様々な経済的な難題が降りかかるだろう」と言ってのけた。
日本は周知のごとくアメリカ合衆国と密接な同盟関係を結んでおり、アメリカがロシアに厳しい制裁を課すと言うのであれば当然、日本も同じようにロシアに経済制裁を加えることになる。
現時点においてロシア国内では、様々な商品の品質低下が言われており、そういった意味では影響は確かにあるんだろう。がしかし国民が飢え死にするほどのものではない。ロシアは世界有数の穀物生産国であり輸出国だ。また鉱物資源においても同様なことが言える。そしてそのロシアから物を買う国々も、多少なりとも存在する。人口13億のインドはその典型例だ。中国については今のところ、この紛争に巻き込まれるのを避けているような様子が見て取れる。
日本においては元々がこの30年間、小泉内閣以降、安倍内閣も含めて異次元の金融政策が取られ続け、人々の給料はずっと横ばい。そして物価も基本的にはほぼ横ばい。つまり成長も何もない。完全に失敗の政策が今も延々と続けられている。本来ならば金利を極限まで下げてお金を借りやすくし、世の中にそのお金が出回って購買意欲が高まり、それにつれてインフレが起こる。それが反映して人々の給料が上がる、などと日銀のトップは言っていたし 政府もそのように思っていた。
しかしそれらの政策が日本という国を、経済的な二流国に引き下げてしまった結果になったわけだ。今や一部の分野においては世界のトップを走るような実績も見られるが、国民生活全体を見た時にもはや、先進国ではないのだ。一流国ではないのだ。そしてこの間消費税はとうとう10%にまであげられてきた。その10%の収入はすべて社会福祉のために活用すると約束したはずだが、実態はそうはなっていない。もはや経済的に行き詰まっている日本としては、債務負担を軽くするためにもそちらへお金を回す必要も出てきている。政府がそんな状態だから民間企業にとってみれば、特に中小企業は全く余裕のない状態で経営を続けなければならない。
そこにコロナによる経済活動の規制。さらにウクライナ侵略戦争による経済制裁発動で突発的なインフレが起こるようになってきた。それでも給料は上がらない。日銀のトップや政府の上層部はこんな状態であっても打開策がない。全く無能としか言いようがない。

ウクライナにおける戦況は基本的には大きく変わってはいない。しかし東南部における戦線において、ロシアは数少ないはずの最新ミサイルを使って、一方的に民間人攻撃を続けており、子供も含めた死者がずいぶん増えている。毎日毎日の報道では、攻撃によって10人亡くなった、あるいは20人亡くなった、などと言っているが、この数字を見て直接戦争の場にいない我々は、完全に感覚が麻痺してしまっている。人一人が殺害されただけでも大変なことなのに、10人と言われても「あーそうか」で済ましてしまう雰囲気もあるのではないか。
新聞やテレビなどでは毎日のコロナ感染者の数が発表され、全国版ではこれまでの累計の陽性患者数や累計死者数などが報告されている。ウクライナの犠牲者もそのようにしてはどうなのかと思う。1日あたりの犠牲者が数人の日もあるが、これまでの犠牲者を累計で数えると、すでに大変な数になっているはずだ。そういった工夫をしないと日本においても、日々さまざまな出来事が起こる中でウクライナは次第に遠くなっていってしまう。
ゼレンスキー大統領は昨日、「軍事支援を要求しているが、実際に届くのは要求の1/10だ。」とコメントしていた。決定的に武器が足りないという現実があると考えられる。そういった意味ではドンバス地方が、すでにロシア側に抑えられていていわゆるロシア化が既成事実化されていくのだ。そのために EU も改めて大きな支援をするという話になり、さらにクリミア半島の奪回について言及した。それに対してロシアの軍部トップは「これ以上西側諸国がウクライナに武器援助を強めたり、クリミアに手を出すとロシアとしても、最後の審判をしなければならなくなる。」と恫喝した。
アメリカはそのようなこととは別に、これまでにも莫大な武器援助を行っており、最新ミサイルシステムで多くの成果を上げているのも一方の事実だ。さらにバイデン大統領はより多くの軍事支援を行うと発表している。
日本が出来る支援というのは、主にウクライナ市民の生活に関わるような内容が中心になると思われる。しかし今現在では日本では何をしているのか、報道がほとんどないので全くわからない。民間団体の一部が小さな支援をしているというニュースは見たことあるが、政府として何をしているのかが伝わってこない。
ひょっとして日本としては、ウクライナよりも、安倍晋三氏が射殺された、参議院選挙があった、ということのほうがよほど重要なんだろう。まあ経済的な窮地にあるとまでは言わないが、そのような状況になりつつある日本にとってみれば、今のインフレと諸外国に対する援助活動というのはかなり気が重いのではないかと思える。

テレビニュースによれば、ロシアはもう間もなく一斉大攻撃を開始するのではないかとの報道があった。ロシア内陸部からどんどん人を集め兵隊に仕立て、そして旧式であれ新式であれ武器をこの間集中的に準備して、総攻撃の手筈が整いつつあるのではないかと考えられる。

今やニュースメディアでも、かなり小さな取扱いになってきているウクライナ侵略戦争の問題だが、改めて国民に対して注意喚起も含め、活発な報道を求めたいところだ。
なお、サハリン2の問題については、日本政府は LNG 輸入の継続を決めたと言う。このあたりの件についてはまた改めて考えてみたいと思う。