切れ切れ爺さんのつれづれ日記

京都の寺社紹介と多様な社会問題・闘病記等

平井神社・・・キンモクセイに包囲され   京都府城陽市      2022.10.16

    

『平井神社の由来
 当平井神社は平川地区の氏神として、古くから人々の信頼を集めてきました。参道入口の鳥居には、「貞享二年(一六八五)に牛頭天王の鳥居を再興した」という意味の文字が刻まれています。そこにかいてあるように、平井神社は江戸時代の牛頭天王と呼ばれていましたが、明治二年(一八六九)に現在の名前に改められました。
 両側に杉や桜の植えられた長い参道をぬけると、本殿の前に出ます。一間社流造という様式の本殿は、正保二年(一六四五)に建てられたものです。正面の柱などには、桃山時代風の華やかな彫刻がほどこされています。祭神は、江戸時代は疫病に霊験あらたかな牛頭天王でしたが、明治になって神速須佐之男命(かむはやすさのおのみこと)と八十猛命(やそたけるのみこと)・奇稲田比売命(くしいなだひめのみこと)の三神をおまつりするようになりました。ちなみに京都の八坂神社の祭神も、当社とおなじく江戸時代は牛頭天王で明治以降は素戔鳴尊になっています。また、神紋も同じ木瓜紋です。
 本殿の東側にある境内社若宮神社で、細部の彫刻技法などから、本殿とほぼ同じ時期の建立と考えられています。ここには、天忍穂耳命をおまつりしています。その南にある石壇上の末社は、北側が大国主神社で中側が天満宮社、南側はがん封じの守り神です。
 なお、本殿と若宮神社桃山時代の古様を今に伝える貴重な建物として、そして鳥居は時代の明らかに古い明神鳥居として、昭和六二年(一九八七)三月京都府登録文化財となりました。また、シイ・カシなどの古木の茂る境内は、市街地に残る鎮守の森として同じ時に京都府文化財環境保全地区となりました。
年中行事
一月一日・・・・・・元旦祭
二月一五日・・・・・春祭(境内の蓮開寺で)
十月定日・・・・・・おいで祭
十二月十五日・・・・お火焚祭平井神社 』
   (説明板より)

   

 平井神社近鉄京都線久津川駅のすぐ横にある。何度も訪れているので境内や本殿など、完全に脳の中に焼き付いていると言っていい。普段は静かな境内ではあるが、祭りの時には大勢の人で賑わう。普段駅に電車が到着して大勢の人が降りてくるが、特に神社に立ち寄ってお参りしていくという人はたまに見かけるだけだ。
 本殿は鮮やかに塗られており、京都府登録文化財となっている。写真を撮る上でも絶好の対象となる。
 
 神社そのものの歴史は比較的新しい方になると思われるが、祭神の牛頭天皇については古代からの伝説に基づいている。日本書紀におけるスサノオと一体化して語られるが、元々は別のものであり、疫病をもたらす牛頭天王を鎮めるために人々は神輿を作り、それを賑やかに担いで回りこれが後に八坂信仰のもととなり、祇園祭が始まる元になったと言われている。そういった意味では八坂神社との関わりも深く、歴史的にも由緒があるものと言える。
 牛頭天王はまた同時に、神仏習合の神ともいわれ、古い歴史の中から日本古来の神道の信仰と、中国を伝わって入ってきた仏教の教えが共存するという、日本独自の信仰のあり方に当てはまったものと言える。その時々の権力者たちもそれを認め、また同時に厚く信仰した結果、長きにわたって続くことになる。明治になってからの神仏分離令によって終わりを迎えるが、それは同時に廃仏毀釈の流れに沿って仏教が困難な道を歩む事にもなった。
 しかし今に至るまで、日本には神社も寺院も全国各地にれっきとした存在感を放っており、一部ではお寺の鎮守社として、境内に鳥居と小さな祠が設けられている。いわば神仏習合時代の名残のようなものが見られるケースも多々ある。

   

 そういった意味ではこの牛頭天王というのも、独特の存在とも言えるのではないだろうか。平井神社の参道沿いには小さなお寺があり、一見したところ大半の人は見過ごしてしまうが、これはれっきとした神仏習合の一つの典型的な例として、貴重な存在だとされている。

   

 このところ花をテーマにお寺や神社を回っているが、ほとんど全てがかつて訪れブログにも掲載しているところばかりだ。しかし視点を変えて撮影に臨んでみると、また違った面白さが見えてくる。写真を撮りながら少しずつ参道を進んで行くと、近鉄の踏切の警報機がひっきりなしに鳴っており、高速で通過していく列車や駅に停車して客を乗降させる各駅停車など、次々とやってくる。熱中していれば気にはならないものの、そちらに耳を向ければ思った以上に騒々しいものだ。
 花の方はシーズンオフともあって、たまたま咲き残っているものが見られただけではあるものの、小さな花や南天の実などがそこそこ目立った。しかしこの時期境内を圧倒しているのが金木犀。これは例外なくどの神社などに行ってもよく見られる。紅葉が始まると金木犀は目立たなくなってしまうが、今のこの時期はお寺や神社のまるで守り神のように、橙色の花を輝かせている。これはこれでなかなか身物と言える。